青森県伝統工芸士 八幡馬 鉈削り四代目 大久保直次郎さん
青森県伝統工芸士にも認定されている、八幡馬伝統鉈削り四代目 の 大久保直次郎 さんです。
初めて大久保さんとお会いしたのが、2007年の新幹線はやて開業5周年イベントの時。
気がつけば、あれから約4年半もの月日が流れていたわけですね。
現在もこうやって親交が続いています事を、心から嬉しく、そして有難いと感じております。
大久保さんの八幡馬は、自宅の隣にある小さな工房で製作されています。
毎度のことながら、その丁寧さを間近で見る度に心から感心せずにはいられません。
馬を作るための木を選ぶのも、鉈で削るのも、色付けをするのも・・・全て1人でこなしているんですよ。
八幡馬は主に、カツラかヒバの木材を使って製作されています(大久保さんの場合)。
先代はアカマツの木材をお湯で煮、昔の炉燵(こたつ)で乾燥させてから製作していたんだそうです。
しかし、次第に大きなアカマツの木材が少なくなってきたため、やがて桂の木へと変わっていったのだとか。
タテガミに関しても、昔は本物の馬の毛を使っていたそうなんですけど・・・
仕入れが難しいのと、虫が湧いてしまう事があるのだそうで、現在は黒く染めた麻の繊維を使っています。
この日は八幡馬製作工程の1つ、タテガミと尻尾を取り付ける作業をしていました。
タテガミ取り付け専用の木の棒で、麻を小さい穴に押し込めた後、金づちで打ちつけます。
小さく開けた穴にちゃんと入っていくよう、時々木の棒を削りながら調整していきます。
「早く尻尾も付けてくれないかな~」なんて待っているように見えて、何だか可愛いですね(^^)
作業中にシャッター音が邪魔にならないだろうか?と、いつも気になっていたんですが・・・
「大丈夫、大丈夫。今まで実演販売を何回もやってきたから、もう慣れたよ」と笑顔で答えてくれました。
タテガミと尻尾と付けた後、ハサミで長さを調節すればこの工程は終了です。
こっ、これは・・・たねブロでも紹介されていた、八幡馬の猿のり馬コではないですか!!!
実物を見るのは私も初めてです。猿のり馬コなんて種類があること自体、つい最近まで知らなかったですから@@;
八幡馬の台車と猿のり馬コをコラボレーション。こんな光景、中々見ないでしょ?w
5月に入り、段々と暖かくなってくればやがて田植えの季節。
元々農閑期の副業として成り立っていたものですから、大久保さんもこれからは農業に従事。
そうそう。基本的に大久保さんの八幡馬はユートリーでしか販売しておらず、
それ以外では直接注文を受けた場合のみ、空いた時間で製作を続けるのだそうですよ。